8日、ふじみ野市革新懇が東京新聞「こちら特報部」デスクを招き、「なぜマスメディアは『市民目線』を失ってしまったのか」と題する記念講演を行いました。東日本大震災と原発事故の報道で、市民目線を追求していた様子を語るデスク氏。
記者クラブでキャリアを重ねると、取材便宜に加え、政・官・財(業)・学との人間関係で、批判も遠慮がちに。やがて思考も当局よりに?政治部記者は上司から「政局を追う政治部記者は政治家と同じ目線になれ」と育てらえるという。
先の大戦以来の大惨事となった福島原発事故の報道で、記者たちの「官依存」体質や報道姿勢の現実がばれてしまったと、サイパン陥落当時の東京新聞の紙面を示し説明するデスク氏。
利権構造のペンタゴン(五角形)はあちらこちらに―「原発安全神話」はメディアにも責任があると語るデスク氏。原子力ムラだけでなく、地震予知ムラ、司法ムラ。河川ムラでは、八ツ場ダムが復活したと説明。
金曜日夜の官邸前抗議デモ。
市民の動きや訴えは大きく扱われず、ここ10年、メディア不信が増幅されている。官邸前集会を記事にしなかった東京新聞に対して、翌日に100件余りの抗議が殺到した。
2011年8月6日、東京新聞・中日新聞が「脱原発」を宣言。「原発ゼロ社会」に向けた記事を、一面からどんどん入れていくことになった。
市民とは日本国憲法下、基本的人権や言論・表現の自由の中、自立した個々の生活者。「国あっての市民ではなく、市民あっての国」に立ち返ること。「安全神話」「新安全神話=成長神話」の虚構を徹底的にあばくとデスク氏。
原発と使用済み核燃料の貯蔵量。
双葉町のスローガン「原子力 明るい未来のエネルギー」は誘致当時の小学生の作品。
安全神話に騙されたと知った考案者の男性。「明るいは破滅だった」とアピールしたいという男性の思いに協力してデスク氏が撮影した一枚。
会場の参加者から出された「新聞社社長などが安倍首相と会食していることについてどうか」という質問に、デスク氏は、「メディアのトップは、時の政権のトップと会わないのは原則。安倍政権のメディア戦略に乗ってはならない。特報部はその点を批判しなかった。チェックしなかったが、赤旗は一生懸命報道し、大したものだ」と回答。
また、「東京新聞の部数が伸びていると聞くが」という質問に、「報道の内容で部数が伸びたのいうのは新聞で初めて」とデスク氏は答え、「大手新聞の代金が高いのは拡販予算が入っているから。新聞が衰退することは、言論・結社・の自由、民主主義が後退する。自由を享受できるコストとして、新聞代は安いもの。しっかりものをいう新聞を何でもいいから取って読み、言論を支えてほしい」と続けました。
2013年06月09日
革新懇で記念講演「なぜマスメディアは『市民目線』を失ってしまったのか」
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